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【四月馬鹿(しがつばか)の起源】

 

 最近の研究の結果、驚くべきことに「四月馬鹿」は音楽史と密接に関係することが明らかになった。
 
 時は19世紀、楽器編成の大規模化に伴い低音金管楽器の必要が生じ、テューバが誕生したことは皆さんもご存じだろう。テューバは瞬く間にヨーロッパ中に広まり、ほどなく英国にも導入された。 
英国人は、いうまでもなくジョークと賭けをこよなく愛する国民である。あるとき、ロンドンの王立鼓笛隊に所属する2人の隊員が賭けを始めた。どちらが歩きながらより大きなラッパを吹けるか、というものであった。 

 ここで説明しておかねばならないのは「ラッパを吹く」という表現についてである。我が国では嘘をつくことを称して「法螺を吹く」という。言語学上よく取り上げられる「異なる言語における類似表現」の良い例であるが、西欧では法螺貝で楽器を作る習慣がないため、嘘をつくことに「角笛を吹く」あるいは「ラッパを吹く」という比喩を用いる。2人はジョークとして、文字どおりに「ラッパを吹く」ことにしたのである。 

 さてこの2人の隊員であるが、1人は雲をつくような大男、もう1人は小柄な女性であった。当然誰もが大男が勝つものと思った。2人はそれぞれ楽器職人に巨大な「ラッパ」、特注のテューバ(楽器の分類上、ラッパと表現するのは多少問題であるが)の製作を依頼した。 
 勝負の日は4月1日、物見高いロンドンっ子が見守る中、まず大男が現れた。後に出現するスーザフォンほどもある巨大なテューバを軽々とかついで歩きながら、見事な腕前を披露した。人々は喝采し、もう女性の出番はあるまいと噂しあった。 

 そこへ、山のようなテューバ、大男のそれの倍はあろうかという楽器とともに女性が現れた。何と彼女はテューバに馬車の車輪を取り付け、押して歩きながら吹いてみせたのである。 
 勝負はあった。ロンドンの街は彼女の機智を讃える歓声に満たされた。 
「彼女はテューバの車を手に入れた!」「彼女はテューバの車を手に入れた!!」 
"SHE GOT TUBA CAR ! " "SHE GOT TUBA CAR !! " "SHE GOT TUBA CAR !!! " 
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©不滅の放蕩

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